【フォーラム顔学2006 特別企画展示・デモンストレーションのご案内】

 今回のフォーラムでは、下記の通り、多彩かつデモ性の高い内容について、特別展示を企画しました。

 実際に見て、体験して、それぞれの魅力を感じて下さい!

■特別企画展示1 「化粧学にみる顔学の魅力」

「ベースメイクの光沢制御」  花王

ベースメイク化粧品開発において、質感の制御は重要な設計項目である。CG画像を用いた印象評価を行うことで、表面反射光の明るさ・色等の物理量と印象を表す言葉との関連付けが可能であることがわかった。今回の展示では、表面反射光と印象の関係、及びその化粧品への応用について動画を交えて説明する。
   

「The History of Make-Up 1920's - 1990's」  資生堂


日本女性の化粧は、20世紀初頭に西洋の影響を受け始め、世界大戦を経て、高度成長期、オイルショック、バブル景気、平成不況といった経済の上下動に揉まれながら、めまぐるしく移り変わってきた。その流行の変遷を辿ってみると、化粧による女性の表情が、それぞれの時代の雰囲気を如実に映していることが分かる。本企画では、各時代に流行した化粧を一人のモデルで再現した動画と、時代を象徴する広告により、20世紀の化粧史を概観する。
   

大阪樟蔭女子大 化粧文化(村澤)研究室

化粧、化粧文化に関する研究(化粧品を除く)の全体像を可能な範囲で描きます。大学、大学院の研究者の研究活動のみならず、直接間接的に化粧文化研究に助力されている化粧品会社の活動もまた出版物などを展示して紹介したいと思います。また質問に答えるだけで来訪者(男女とも)のコスメフリーク度がわかるコーナーもつくります。配付資料も作成する予定です。


 

■特別企画展示2 「似顔絵生成にみる顔学の魅力」

コンピュータによる似顔絵生成システム

万博展示似顔絵ロボット絵師COOPER (中京大学 輿水研究室)

愛知万博に出展した似顔絵ロボットのサブセットシステムをデモ展示する。顔画像から200点以上の特徴点を自動抽出し、これをデフォルメして線画で似顔絵を描画する。システムの特徴は、画像処理に失敗すると、作品の品質を少し犠牲にしても破綻しない(fail-safe)頑強性を実装したことである。
   

「3Dフィギュア製作ピエリモ」 (株)COSMOTECH

ピエリモは複数台のデジタルカメラで顔を全方位撮影した画像をPCに取込み3Dポリゴンを自動生成するシステムです。撮影時間は約3秒です。3Dポリゴンデータは、平面の画像だけでは限界のある立体表現の手段として、映画・CMなどに取り入れられています。人物の顔をそっくりに作ることには多大な時間がかかるといわれていますが短時間で3Dポリゴンデータを自動生成可能です。「3DS(3dsMax)」、「DXF」、「STL」、「NFF」等
   

「NIGAO: 対話型GAを用いた似顔絵作成システム」 東大 原島・苗村研究室

対話型GAを用いた似顔絵作成システムです。 操作は簡単。まずは、描きたい人の顔をイメージしてください。 そして、提示された似顔絵達の中から、あなたのイメージに近い顔を いくつか選んでいくだけ。 あなたが選んだ顔をもとにコンピュータが似顔絵の候補を作り出し、再び提示してくれます。 これを繰り返すことによって、あなたのイメージしていた顔が だんだんとできていきます。 絵心のあるあなたも、絵心のないあなたも、お試しあれ。
   
「E-FIGS: Expressive Face Illustration Generating System」東大 大橋研究室


E-FIGSは、学習モデルを元にした画像処理によって顔イラストを変形させ、表情豊かな顔イラストを自動生成するシステムである。まずランダムに生成した顔データ群を元にして、顔の形状モデルを作る。また、人間が顔群の表情判別を行い、その結果から顔の表情モデルを作る。実行段階では以上の2つのモデルを利用することによって、入力となる顔イラストの中から特徴点を自動検出し、描き手の特徴を保持したまま表情に関係する画像変形のみを行う。
   

似顔絵師による似顔絵実演
(当日、各氏による似顔絵の実演があります!)

 

■デモンストレーション

「Happy Face Photo」  中村年孝(フォトグラファー) 
 
「あなたの笑顔、撮らせてください。」という呼びかけのもと、年齢、性別、国籍等いっさい問わず、笑顔を写真に納めています。ご自身の素直な笑顔を見てみませんか? まだご参加でなかったら、ぜひ撮らせてください。思った以上に笑った自分を見られると思います。お写真は後日、郵送にてお届けします。現在1,598人。目標は10,000人!

          
  ※本誌 特別寄稿に「Happy Face Photo」に関する説明があります。

 ・「写真から複製した能面たち」 田中孝麿,田中豊顕(NPO夢創)

 
重要文化財(重文)に指定された能面は言わば能面の原点であり、能面彫刻の手本として最も相応しい存在である。しかしそうした能面は能楽宗家の本面として所管され、一般には公開されていない。もちろん本面の形紙は無い。そこで写真のperspective distortionを定量化することで、すでに公表されている本面の写真を手本として活用する方法を開発し、複製を制作した。
具体的な手法はこの学会の口頭発表で「重要文化財指定能面<獅子口>(重文彫3142)の複製と検証」と題して報告している。その報告内容に即して制作した複製獅子口(予稿集に写真あり)を中心に、手本とした写真とともに数面の複製面を掲示する。
 下 の写真は重要美術品(重美)に認定された女面の代表でもある小面の複製である。ちなみに重文に指定された小面はない。