フォーラム顔学2006 特別講演のご案内

  「役者と顔」  
 
フジテレビジョン 編成制作局エグゼクティブディレクター
杉田成道 氏
 
     
  【ご講演要旨】  
  役者という者は、普段、談笑しているときは、私たちと何ら変わらない、ただの人です。ところが一旦、演技を始めるや、何かが乗り移ったように、顔つきが激変します。いい役者というものは、さらにそこに、人を惹きつけて放さない何かオーラともいうべきものが発散してきます。その顔が、画面の向こうから観る者をグイッとつかんで離さない、妖気を帯びてきます。なぜこうなるのでしょうか?どうやら、彼らの演技する心の過程に、何かがあるように思えます。顔と心は不可分の関係にあるようです。人は役者、人生は舞台、と言います。我々も日常生活の中で、なんらかの形で演技しています。自分の心を、ある方向に導こうとしています。その時、気がつかずに顔が変わっているのです。そこの所を、役者がどのようにして役の顔を作っていくか、といったところから、すこし考えてみたいと思います。  
  【プロフィール】  
  杉田成道(すぎたしげみち):

  昭和18年、愛知県豊橋市生まれ。昭和42年、慶応大学卒、フジテレビジョン入社。ドラマ制作部門に配属。途中、報道に少し在籍するが、ほぼ一貫してドラマ演出に携わる。
 代表作に、作家の倉本聰氏とコンビを組み、22年間続いた「北の国から」シリーズ。他に、「ライスカレー」、「君は海を見たか」、「並木家の人々」など。単発ドラマでは、「失われた時のながれに」、「町」、「1970僕たちの青春」、「少年H」、「海峡を渡るバイオリン」など、多数。芸術選奨新人賞、芸術祭大賞、ギャラクシー大賞、民放連盟賞ドラマ最優秀作品賞、放送文化基金賞、橋田壽賀子賞、菊池寛賞など受賞。

映画監督では、「優駿」、「ラストソング」。
舞台では、「陽だまりの樹」、「楡家の人々」、「幕末純情伝」など。

現在、フジテレビ編成制作局エグゼクティブ・ディレクター。
日本映画衛星放送、代表取締役社長。
日本映画テレビプロデューサー協会会長。